実家も遠いし夫も手伝ってくれない。フルタイムで働いているのに、ワンオペ育児。休日も休む間もなく、子どもの世話。まだまだ子育てと家事は女性がする考えが浸透している日本。女性の負担は増すばかり。子育て支援制度もまだまだ充実していないなか、どうやってこの辛い環境を乗り切るか。先輩ママの「辛いワンオペ育児」を乗り越えるコツを紹介します。
共働き子育て。ワンオペ育児が辛くて耐えられない
「共働き子育てママ」が叫ぶ、辛い気持ち。実家も遠く、夫にも協力してもらえず、ほぼワンオペ状態の子育てに疲れ切っているママは多い。
1歳の3歳の男の子を育てるさやかさん。最近子育ての疲れがピークになり、昨日たまりに溜まった不満やストレスが爆発してしまったよう。
共働き子育てが辛すぎる
育休産休を使って仕事復帰。フルタイムで働きながら子育てしている共働き世帯です。
夫は仕事が忙しく、子育てに協力的ではありません。
毎日平日朝9時から働いて、保育園に迎えに行ってそのまま二人をかついで買い物へ。すぐ夕飯を支度して、子ども達をお風呂へ。ひといきつく間もなく仕事から子守。夫は帰ってきたら、ごはんをたべて風呂に入って、そのまま寝てる。休みの日は自分の好きなことをして。「働いているんだから、好きなことをさせてくれ」といった感じです。
わたしは平日も休日も休みなく、仕事以外は子どもの世話。一人で育児しているような感じ。
これだけ休む間もなく家族のために努力しているのに、感謝のひとこともなく、料理にケチをつけたり、ちゃんと掃除していないと文句を言われると、本当に悲しくなるし腹が立ちます。 もう子育てをやめたくなる。こどもはかわいいはずなのに、母親でいることが辛い自分がいやになる。これだけ大変だと思っても、仕事じゃないときに託児所や保育園に預けるのは、罪悪感みたいなものがあって預けたりしていません。 夫と口喧嘩をしたとき、不満が一気にあふれ出て、涙がぽろぽろでてきました。共働きしながら、ワンオペ育児で子育てすることにもう限界を感じています。
一番理解してほしい、協力してほしいひとが協力してくれない。子育てに参加してくれない。休む時間もない。仕事をやめたり減らしたりするほど、十分な収入がない。子どもはもちろんかわいいけど、こういった環境では、精神的に参ってしまうのは当たり前。辛い、と思うのはおかしなことではありません。
人間の心身は十分な休息時間がなければ疲弊し、結果的にメンタル面の不調や、病気の原因になることは昔から知られています。
子育てや家事は女性がするもの。日本にはそういった意識が根強くありますが、専業主婦や拘束時間の少ないパート勤務が主流だった昭和時代と違い、今は子どもがいても女性がフルタイムで働くことが当たり前。今の女性と昔の女性は環境が違う。明らかにフルタイムで働きながら一人で子育てするのは、無理があります。
「子育てで疲れたなんてワガママ」
「母親のくせに」「なんでこんなこともできないの?」
時に一番味方になってくれるであろう姑や夫でさえ、ママのこの辛い環境を理解してくれない家庭も。育児ノイローゼやうつ病は、生活の変化によるストレスの重なりや、理解者がいないことも原因になることがあります。
参考うつ病の原因
辛くて辛くて仕方ないけど、これを乗り越えてきた先輩ママたちはどうやって乗り越えてきたんだろう?
この状況をどうやって乗り切るべきか、修羅場を乗り越えてきた、先輩ママたちのアドバイスをまとめました。
先輩ワーママが語る「息抜きと手抜き」の大切さ
全部自分でしないと・・は禁句。使える他力は全部使う
わたしはフルタイムで働きながら二人の子どもを育ててたんですが、もう毎日が戦争でした。朝から夜まで休む間もなく仕事と子育てで忙しい。夜は夜で夜泣きやトイレなどで起こされたり。睡眠不足もいいとこでした。自分が病気したって、病院へいく間もありません。夫は忙しくて協力してくれないし。子育てに慣れない間、「全部自分がしないと!」「しっかりした母親じゃないと」っていう責任感みたいなものもあって頑張ってました。だけど徐々に限界を感じてきたし、気づけばイライラピリピリして、子どもにヒステリーになったり、子どもの前で夫婦喧嘩をしてしまったり・・。
これはやばい、と思って仕事が休みでも土曜日保育に預けたり、有給を使って保育園に預けたり。そしたらすごく気持ちに余裕が持てるようになってきて、次第にヒステリーやイライラも消失していきました。
子育てって、一人ではできないことを改めて実感。それ以来は、頼れる力はできるだけ頼るスタンスで子育てするように。精神的にはすごくゆとりができて、イライラしていたときが嘘みたいです。
子育ては自分でしなくてはいけないもの、と思いがちだけど、一人では無理。いろんな機関や人間関係のなかでできるだけ協力してもらうことが、上手に子育てを乗り切るコツだと思います。
手抜きも子育ての技術のうち。子育てに「こうでなければならない」はない。
子どもを産んでからすぐは、手の込んだ料理や完璧な掃除をするのが当たり前だ、と思っていました。
ママ友のSNSなんかみると、綺麗にした掃除やオシャレな料理がいつもアップされていて。世の中の子育てはこうであるべきなんだ、みたいな先入観があったのかもしれません。育休産休で少し時間があったときは、料理や掃除にもこだわったりしてたんですが。
子どもが生まれてからというもの、帰ってきたら最低限食べさせて、どうにか寝かしつけるのが手一杯。働きながらすべてを完璧にするなんて無理だと悟りました。でも周りのママは働きながらでも料理や掃除を完璧にしているひともたくさんいて、なんか自分ができない母親みたいに思うこともあったりして。
でも、子育ては「こうじゃないとだめ!」っていうことはないな、っておもうことがあったんです。
ふとこどもとの会話のなかで、「ごはんはなにが一番好き?」って聞いたら、「たまごかけごはん!」って言ってて。母親が盛り付けだ栄養価だってすごく気にして料理なんか作っても、子どもが意外にシンプルで手がかからないものが好きなんだって知りました。胃も小さいのでそんなに食べない。親が思っている以上に、子どもって手をかけなくても育てられるのかもしれない。
最近は料理にも時間をかけず時短できる冷凍やレトルトを愛用しています。掃除はお掃除ロボットを使って、できるだけ楽できるように。周りの子育てと比べず、うちはうち、よそはよそって思いながら子育てするようにしたら気持ちが少し楽になりました。いい意味での手抜きを取り入れていくことが、気楽に子育てできる秘訣かもしれません。
完璧じゃなくて良い。協力者は家族じゃなくても良い。上手に手を抜く子育てが大事
子育ては、親や親せきだけでなく、家族を取り巻くいろんな環境や人によって成り立ちます。そもそも、子どもはママ一人で抱えて育てるものではありません。
保育園や自治体が提供する一時保育等、保育サービスを積極的に取り入れて、自分の時間を確保することは「セルフケア」の意味ですごく大切です。自分のメンタルが一番良いコンディションでいられるよう整えることは、本来の母親業を成し遂げるためにすごく重要なこと。大人として、親として必要な自己管理です。余裕がなくてイライラして、子どもに過剰に怒ってしまったり、叩いてしまっては本末転倒。仕事以外でも誰かに子どもを預けることは決して悪い事ではありません。信頼できる相手と、ちゃんとルールのうえで保育を依頼することは、健全な子育ての一環です。
子守を負担に感じて余裕がなくなってきたときは、信頼して保育を依頼できる機関や人間関係をキープしていきましょう。自治体(役所)から一時保育目的で認可保育園を提供している地域もあるので、ぜひお住まいの自治体で調べてみて。
料理も家事も、完璧じゃなくてもいい。子育てで一番重要なのは、子どもを育てることです。おいしい料理や完璧な掃除をするのが「親」じゃない。自分が心身ともに健全な状態で、子どもとの時間を平穏に過ごせることが、親として一番大切な役割です。それを実現するために必要なものは、取り入れる。上手な手抜きを取り入れると、辛い子育ても少し楽になるかもしれません。
そして可能な限り、夫や家族に相談しましょう。時にぶつかり合ったり、意見が食い違うことがあるかもしれませんが、家族だからこそ喧嘩もできるんです。他人に自分の本心を打ち明けることはできません。他人だから意見や価値観が食い違うのが当たり前。それを補正するのは、互いに意見を伝え合うことが一番です。