このページに記載される情報は、2018年5月現在、ページ最下位に記載されるサイトから得た情報を参考・引用したものです。最新の予防接種に関する情報は厚生労働省サイトをご確認ください。各予防接種を施行するときは、医師に相談のうえ行うようにしてください。
予防接種とは
予防接種とは、弱ったウイルスや細菌(生ワクチン)、もしくは死んでしまっているウイルスや細菌(不活化ワクチン)をあえて投与し、免疫をつけさせることです。自治体から予防接種費用の援助がある定期(推奨)接種と、有料の任意接種があります。
予防接種を受けることは、国民の保健衛生のために予防接種法でも定められています。
第2 法律による予防接種
予防接種法及び結核予防法による定期の予防接種は市町村長が行うこととされており,予防接種法に基づく一類疾病及び結核予防法に基づく結核の予防接種の対象者は予防接種を受けるよう努めなければならないこととされている。予防接種法に基づく二類疾病の予防接種の対象者については努力義務が課されていない。
また,予防接種法に基づく臨時の予防接種は,都道府県知事が行い,又は市町村長に行うよう指示することができることとなっており,当該予防接種の対象者は予防接種を受けるよう努めなければならない。
定期接種の種類
- BCG
- ポリオ
- 百日咳
- ジフテリア
- 破傷風
- 麻疹(はしか)
- 風疹
- 日本脳炎
- 肺炎球菌
- インフルエンザb型(ヒブ)
- ヒトパピローマウイルス(HPV)
- 水痘(みずぼうそう) ※2014年10月より
- B型肝炎 ※2016年10月より
任意接種
- インフルエンザ
- 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ・ムンプス)
- ロタウイルス
- A型肝炎
予防接種のあけるべき「間隔」を知っておこう!
予防接種には、ワクチン接種をしてから次のワクチン接種までに空けなければならない間隔があります。
- 生ワクチン(弱った菌・ウイルス)接種後:27日以上
- 不活化ワクチン(死んでいる菌・ウイルス)接種後:6日以上
生ワクチンは、
- BCG
- 麻疹・風疹(MRワクチン)
- 水痘
- ムンプス
- ロタウイルス
上記以外はすべて不活化ワクチンです。(2014年よりポリオは不活化ワクチンになっています)
小児の予防接種、スケジュールを知ろう
各ワクチンは、それぞれ投与時期があります。これまでの統計から感染しやすい年齢を考慮して、各ワクチンごとに摂取を推奨される年齢があります。厚生労働省は以下のような予定で予防接種を行うよう、推奨しています。
定期予防予防接種スケジュール
(厚生労働省HPに掲載されるNIID国立感染症研究所が公表:2018年5月現在)
任意予防予防接種スケジュール(定期予防接種も掲載されています)
表中のインフルエンザから下に掲載される病名が、任意予防接種の種類とスケジュールです。
引用:NIID国立感染症研究所
予防接種のスケジュール管理、自動で計算してくれるアプリがあるよ
予防接種のスケジュールはランダムで、忙しいママは忘れがちです。
ややこしい予防接種の予定を管理・教えてくれる便利なアプリがあります。
こどもの予防接種を推奨している「NPO法人VPD」が提供する「予防接種スケジューラー」。子ども毎に今月受けられる予防接種を一覧にして教えてくれたり、通知してくれたりする便利なツールです。アプリは無料なので、お財布にもやさしいママのためのアプリです。
予防接種、1歳までの赤ちゃんが受けるべき注射は?
1才までに受けることが推奨されている定期予防接種は、
- Hib
- 肺炎球菌
- B型肝炎
- BPT IPV(4種混合)
- BCG
の5つ。
定期摂取に設定されている病気は、感染すると致命的なものもあり、免疫をつけておくことが非常に大切な注射です。それぞれの病気を理解して、極力推奨される時期に接種するようにしましょう。
Hib:ヒブ(不活化ワクチン)
推奨接種時期
生後2か月~6,7か月頃までに3回
生後1歳以降に4回目の注射が必要
(合計4回注射が必要)
ヒブ(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型:Hib)による感染症。自治体や機関によって差はありますが、だいたい生後6か月ごろまでを目安に接種することが推奨されています。
ヒブが鼻やのどから感染し、髄膜や肺に炎症を起こします。髄膜に炎症を起こすと細菌性髄膜炎を起こし、時に死亡したり、障害が残ることもあります。アメリカではヒブ感染予防のワクチン(いわゆる予防接種)を開発し、結果的に99%減少。
NPO法人VPD(ヒブ感染症)によると、
細菌性髄膜炎にかかった子どものうち、
- 約66%は0~1歳児
- 約34%は2~4歳児
とされています。
生後5か月から急増し、集団保育の子どもは2~3倍かかりやすいとされています。赤ちゃんのあいだに保育園入所を予定しているなら、早めに接種したほうが良いでしょう。初めて接種するヒブの予防接種が推奨されている時期は、5か月未満の赤ちゃん。生後5か月からヒブ感染が急増する特徴からしても、推奨される時期に接種することが望ましいでしょう。
肺炎球菌(不活化ワクチン)
推奨接種時期
生後2か月~6,7か月頃までに3回
生後1歳以降に4回目の注射が必要
(合計4回注射が必要)
肺炎球菌は、喉などから感染する病気です。2歳までの子どもは肺炎球菌に対し免疫がなく、重症化しやすいといわれています。肺炎球菌は、潜在性菌血症をもっとも起こしやすいと言われ、菌血症から髄膜炎を起こすこともあります。髄膜炎の後遺症として、発達・知能・運動障害や、難聴(聴力障害)になることもあります。肺炎球菌から起こる細菌性髄膜炎は、死亡が7~10%、後遺症率は30~40%。ヒブが原因で起こる髄膜炎に比べ、死亡や後遺症の比率が倍くらい高くなります。
ヒブと同様、保育児童は感染する可能性も2~3倍高くなります。推奨される時期に予防接種を行い、感染しないようにすることが大切です。
B型肝炎(不活化ワクチン)
推奨接種時期
生後2か月~4ヶ月の間に2回
生後7~9か月の間に1回
(合計3回注射が必要)
B型肝炎は、感染力がとても強い感染症です。感染すると慢性化・キャリア化することがあり、肝炎や肝硬変、肝臓がんになるリスクがあります。母子感染や血液感染、性交渉による感染などが感染経路としてあげられますが、原因不明で感染することもあり予防することが大切です。
B型肝炎ワクチンは、合計3回の摂取が必要です。不活化ワクチンのため、6日以上間隔をあける必要があります。NPO法人BPDでは、生後2か月~4ヶ月の間に2回、生後7~9か月の間に1回を接種することが推奨されています。
DPT-IPV:4種混合(不活化ワクチン)
推奨接種時期
生後2か月~6ヶ月の間に3回
1歳~1歳9か月の間に1回
11歳~12歳ごろに1回
(計5回注射が必要)
DPT-IPVは、ジフテリア(D)、百日せき(P)、破傷風(T)、ポリオ(IPV)の4種類のワクチンを同時に摂取できる注射です。予防注射は合計5回必要で、1期(4回目までの注射)と2期(5回目の注射)に分かれます。
ジフテリア(D)
ジフテリアとは、喉から感染するジフテリア菌が原因で発生する病気です。過去には年間8万人以上が罹患し、10%が死亡していた病気でした。感染した場合、目や呼吸筋の麻痺・心不全をきたすことがあります。5歳以下や40歳以上では重症化しやすいと言われていますが、ワクチン接種により、罹患リスクは95%減らすことが出来るとされています。
百日せき(P)
百日咳菌という菌が喉に感染し起こる呼吸器系の病気です。感染すると長く激しい咳が続くようになります。大人の場合、呼吸機能が安定しているため死亡することはありませんが、生後6か月以下、特に3か月以下の赤ちゃんでは、重症化することもあり、時に死亡することもあります。
破傷風(T)
破傷風菌は土のなかに生息しています。破傷風は破傷風菌が傷口から入って感染し、からだの筋肉を痙攣させる病気です。感染して間もないころは、笑いにくかったり、顔の筋肉が動かしにくい程度の症状ですが、重症化してくると全身の筋肉がこわばり、体がかってにエビぞりになるような体勢になります。
ポリオ(IPV)
ポリオは、ポリオウイルスに感染し起こる病気です。多くは症状が出ないか、風邪の症状程度で収まります。重症化した場合、手足のまひや運動障害が起こることもあります。
ポリオに感染した一部のひとは、感染した数十年後に疲労や痛み、筋力低下を起こすことがあり、これらをポストポリオ症候群と呼びます。呼吸に必要な筋肉である横隔膜に麻痺がおこった場合は、人口呼吸が必要になることもあります。
参考にしたサイト
Know VPD! - ワクチンで防げる病気(VPD)を知って子供たちの命を守る